はい、というワケでベーシストのワサダ(@wasadama)です。
シリーズでお送りしております【ベースのピック弾きを語る】。
今回は「逆アングルピッキング」の徹底解説です。
以前の記事では、この逆アングルを紹介しつつも平行アングルがメインでした。
が、その後も自分なりに探求を重ねるにつれ、やはり逆アングルピッキングがピック弾きの最重要項目である、ということを痛感したので、改めましての特集でございます。
ピック弾き歴25年のわたくしが得てきた知識や体験も交えつつ、考え方や具体的なやり方など、徹底的に解説して参ります◎
ではまず、ざっくりポイントから!
※クリックで各項目にジャンプできます。
「逆アングルピッキング」とは何ぞや?
最初は基本的なところの解説。逆アングルピッキングとは何ぞや、というお話から。
ベースにおけるピック弾きは、一般に指弾きに比べると音が細くなりがちな傾向のあります。
柔らかく質量も多い指で弾くのに比べ、硬く薄っぺらいピックで弾くので、どうしても音が細く低音が出にくいのも仕方のないところ。。
その分、カチッとしたアタックが出たり、ドライブ感が出やすいなどのメリットがあるワケなんですけどね。
この辺の話、詳しくはコチラの記事でも紹介しております。
良かったら合わせてどうぞ◎
で、その音が細いというデメリットをできるだけ軽減させるための奏法が、この「逆アングルピッキング」なのです。
つまりは、ピックで太い音を出すためのテクニックです。
一般的なピッキングのやり方とは逆の角度を付けて弾くため、「逆」アングルと呼ばれています。
具体的にはこの角度!
この角度で当てると、ピッキングノイズが出にくく、しっかりとしたアタックで太い音が出るのです。
ピッキングの角度については、コチラの記事で詳しく解説しておりますので、合わせて読みいただければと◎
ピック弾きのコツを徹底解説!【ベースのピック弾きを語る:4】 - ヒゲメガブログ。
また、出音のイメージはコチラの動画を参考にしてください◎
一分で分かります!(笑)
豆知識として、逆アングルはプロデューサー兼ベーシストの故・佐久間正英氏が提唱していたため、「佐久間式」などとも呼ばれたりします◎
ちなみにわたし、2013年に佐久間氏が行った「逆アングルピッキングセミナー」に参加し、彼のプレイを直に観て、その極意を学ばせていただきました。
その時の動画がYouTubeに公開されていますので、じっくり研究されたい方は是非ご覧になってみてください~!
…ただ、生配信の録画のため映像があまり鮮明でないのがもったいない感じであります。。
余談ですが、質疑応答のコーナーにて同行の友人が質問したため、若かりし頃(?)の私もちらりと映りこんでおります。
どこにいるかな~?(笑)
奏法のポイントを解説!
さて、では具体的なやり方の解説を。まず一番重要な「角度」から。
ピックを当てる角度
角度は、先ほども紹介したように、ピックの「ヘッドに向いている側が上」となるように弦に当てます。
この角度でピッキングをすると、弦にはピックのブリッジ側の面が当たります。
ここです。
これが超大事!
ここが弦に当たるように弾くと、ピッキングの力が逃げずに弦に伝わります。
その結果、弦を最大限の力で振動させることができ、太い音が出る、というワケです。
ちなみに順アングルと呼ばれるのは、この↓角度です
この角度だと、弦にはピックのヘッド側が当たります。
これだとジャリッとしたピッキングノイズが出やすく音が細くなってしまいます。
佐久間さんに言わせれば、「こっちの方が逆だろう(笑)」とのことです。
ピックの握り方
逆アングルにおける握り方のコツは、人差指の腹と親指の腹を合わせるようにしてピックを挟むことです。
上から見ると、
こんな感じ。
この握り方だと逆アングルでのピッキングが非常にやりやすいです。
おそらく一般的なピックの握り方って、人差し指の側面と親指の腹で挟む形かなと思います。
この感じですね。
ただ、実際にやっていただくと分かりやすいと思いますが、これだと手首の角度を工夫しないと逆アングルでピッキングをするのは難しいのです。。
ピッキングのポイント
そして、ピッキングをする際のポイントとしては、
- 弦と直角に、真下に弾き下ろす。
- 速さを意識し、ボディ側に押し込むように振りぬく。
この2点です。
身体の構造上、手首を使ってピッキングするとどうしても弧を描くような軌道(青矢印)になってしまうのですが、そうすると力が逃げてしまいます。
なので、なるべく意識をして真下方向にピックを振り下ろすことが大事です。赤矢印の軌道ですね。
ちなみにアップピッキングのときは真上方向に引き上げます。
さらに2点め、ボディ側に押し込むようにスピーディにピッキングをします。スラップでいう振り抜き型のようなイメージです。
こうすることによって、弦に縦方向(ボディと垂直方向)の振動を与えることができ、それをピックアップがロスなく拾えるそうです。
結果、これも太い出音につながります◎
※弦の縦振動に関しては、こちらのコラムが詳しいです。外部のリンクですが、よろしかったら合わせてどうぞ!
と、少しマイナスポイント。
ここまで見てきてイイこと尽くしの逆アングルピッキングですが、少々のマイナスポイントも紹介しておかねばなりません。
ピッキング自体は決して難しいテクニックではないのですが、わたしのように、もともと順アングルで弾いていた人間が逆アングルに矯正するにはかなりの時間を要します。
やっぱり感覚が全然違うので、なかなか難しいんですよね。。
また、逆アングルだとアップピッキングがやりづらく、これは佐久間さんも苦手だと仰ってました(笑)。
ダウンでの出音にパンチがありすぎるせいか、アップとダウンでの音質差が出やすかったりも。
それから実際にやっていただくと分かりやすいのですが、ベースをある程度高く構えないと逆アングルでは弾けません。
これも振り抜き型のスラップをイメージしていただくと分かりやすいかも。手首の角度の関係ですね。
まとめ。
そんなこんなを踏まえまして。
現在のわたくしは平行アングルでのピッキングをメインにしている次第です。
こんなに逆アングルを推しておいて、それはないだろう~!
とのお怒りもごもっともなのですが(笑)、平行アングルは、逆アングルの利点を生かしつつ弱点を減らした、個人的には理想のスタイルだと思っております。
佐久間さんのピッキングの継承者と言われる黒夢の人時さん(わたし大好きです)も、逆アングルを意識しつつ、実際には平行アングルで弾いているとのことでした。
要は、平行アングルは逆アングルの考え方ありきのスタイル、というワケですね。目指す音の方向性も共通していて、「なるべく太い音」です。
※平行アングルのメリットや方法については、クドいようですがコチラの記事が詳しいです。是非に◎
また、YouTubeでも逆アングルピッキングを暑苦しく語る動画を撮りました(笑)。
合わせてチェックしてみてください!!
ベースのピック弾きにおける最重要項目【逆アングルピッキング】について。ピック弾き歴25年のベーシストが徹底解説!
というワケで。
実際にやるやらないはさておき、
逆アングルピッキングは、ピック弾きをされるすべてのベーシストに知っておいていただきたい最重要項目です!
届け~!!(笑)。
ワサダでした◎
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